車のルーフサイドパネルにへこみが出来てしまうと、従来のデントリペアの裏から押し出してリペアする事が困難な場合が多くなってきます。
内部構造に補強パネルがある為で、そんな場合は表面からへこみを引っ張り上げる「プーリング」という手法でリペアします。
塗装面を引っ張り上げてリペアするこの手法は、作業中にどうしても塗装剥がれというリスクも伴ってきます。
お車の年式、車種、塗装の状態など、色々な要素が関係してくるので、その見極めも非常に重要になってくるのです。
こうしたデメリットもきっちりとお伝えしていますが、一昔前まではリペア不可だった場所もこの「プーリング」という方法でリペア可能となっていますので、このリペアの存在はかなり大きいと思います。
今回はそんな画期的なリペアのご紹介です。
それでは、作業をスタートしましょう。
ライトを入れたへこみの状態です。
凹みの場所は運転席上部くらいですね。
車の前方から見た凹みの状態です。
ここで、作業途中の写真になりますが、少しだけ簡単に説明しますね。
凹みにタブと呼ばれる工具をプーリング専用グルーで接着します。
リフターで凹みを引っ張りあげていきます。
凹みを高く引き出して表面をポンチング(精密な叩き作業)で整えます。
この作業を凹みがフラットになるまで続けます。
車の前方からも確認して作業完了です。
このプーリングという手法は必ず塗装が剥がれるという事ではなくて、あくまでも年式、車種、塗装の状態などによってリスクもあるという事をお伝えしております。
もちろんリペア中はリスクを最小に抑えるように作業しておりますのでご安心くださいね。
ここで、もう一つのプーリングも見てみましょう。
プーリングの道具にも色々とあって、上記のようなグルータイプの物が最近は主流となっているのですが、当店では下の写真のような違うタイプの物も使用しています。
板金屋さんなどがナンバープレートの封印を外す時に使う工具(ロウのようなもの)に似ているのですが、これは「デントール」という物で、パネルを温めて直接貼り付けるタイプとなります。
真ん中の穴にスライドハンマーをかけてへこみを引き出してリペアします。
プーリングは異常気象などで雹(ひょう)が降り被害にあってしまった雹害車のルーフサイドの修理には特に重要となってくる技術で、私自身も雹害車修理の時は数え切れない程のへこみをリペアしました。
雹害車となると、へこみの数は無数で、凹みの場所もさまざまです。
こうした状況に対応できるように日々努力し、雹害車修理の時はチーム一丸となってリペアしてきました。
そうした経験を日頃のリペア作業にも役立てていきたいと思っております。
へこみでお困りの方はいつでもお問い合わせくださいね。
2016-08-18